一週間後、滲み寄る④

一週間後、滲み寄る



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 途端に僕は恥ずかしくなる。

 雑居ビルの屋上に不法侵入した挙げ句、宇宙人でもない男に宇宙人かと聞いてしまった。

 よく考えると、意味がわからない。

 

 僕は一体、何をしているのだろう。

 少し我に帰ると何故か焦りが出てきて汗が流れる。

 もう気温はそんなに暑くはないはずなのに。

 

 しかしこの男の素性と目的も、もっと意味がわからないので、僕は彼に聞く。

 一度言葉を交わしたためか、不思議と恐怖は訪れなかった。

 

「あの、では僕に何かご用なのでしょうか。不法侵入の件であれば、ごめんなさい。もう止めますので」

 ナスガキは答える。

「いえ、たぶんなのですが、あなた、宇宙人を呼んでいますよね? 何度かお見かけしたので。ビルの屋上でやることなんて、それしかないですものね」

 

 ……一体、何処から見られていたのだろう。

 

 僕は疑問に思ったが、ビルの屋上でやることは別に他にもあるだろう、とも思い、すぐに些細な疑問は上書きされた。

 僕が少し黙っていると、ナスガキは続けた。

「もしよろしければ、お力になれると思います」

 僕にはやっぱり意味がわからなかった。

 

「えぇと、よくわかりません。力になれるって、何に?」

「宇宙人でしたら、お貸しすることが出来ますよ」

 

 ……よくわからないが、宇宙人が借りられるものだと、初めて知った。



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