一週間後、滲み寄る⑭

一週間後、滲み寄る



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 僕の沈黙を無視し、ナスガキは続ける。

「そうですか…… いや、良い商売だと思ったのですが、まだ地球人には早かったようですね……」

 少なからず可哀想にも見えてしまったので、僕は少しだけフォローする。

「何が早いのかはわかりませんが、料金設定の見直しと、営業先を熟考すれば、あるいは。あとは信憑性を高めてください」

 そう言ってから気が付く。

 言葉に出してみると、少し考えも変わってくるもので、考えてみれば僕にお金が無いだけで、もしかしたら上手いこと商売になる案件なのかもしれない。

 彼のやり方が少々下手なだけで、もしかしたら、上手く立ち回ればそれなりに儲けられるのではないだろうか。

 たぶん、宇宙人というワードのためなら金に|厭目《いとめ》を付けない人物は|五万《ごまん》といるはずで、なんだか勿体ない気もしてくる。

 

 ――何とか利用できないだろうか。

 僕にも少し、そんなよこしまな考えが芽生え始めたが、彼は構わず続けた。

 

「アドバイス、ありがとうございます。でもまぁ、私もわりと早急にお金が必要でして……」

「お金……まぁ深くは聞きませんが、お互い大変ですね」

「ええ、嫌になります」

 お金は僕も欲しい。

 可哀想にも思えているが、何とか上手く誘導して、利用できないものだろうか。

「話くらいなら聞きますよ」

 だから、そう答えた。

 彼の信用を得て、上手く乗りこなすには、まずは相談相手となる必要がある。

 

 するとナスガキは少し気を許したのか、トコロテンのように流暢に愚痴を練り出してきた。

 おそらく溜め込んでいたものがあったのだろう。



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