一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑯(終)

前ページ   「あの、ナスガキさん」  彼の愚痴の合間を縫って、僕は切り出す。 「はい?」 「地球征服には何が必要なんでしたっけ?」  今一度、確認をする。 「さっきも言いましたが、約1億...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑮

前ページ   「いやね、さっきも言いましたけど、税金が急に値上がったんですよ。あと数ヶ月のうちに払わないと焼かれるようで、蓄えがあまりないもので焦ってるんです」  もうこの際彼が本気なのかどうかはさておいて、彼の...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑭

前ページ    僕の沈黙を無視し、ナスガキは続ける。 「そうですか…… いや、良い商売だと思ったのですが、まだ地球人には早かったようですね……」  少なからず可哀想にも見えてしまったので、僕は少しだけフォロ...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑬

前ページ   「まぁ大変なのは理解しましたが、宇宙人にもお金が必要なんですね。もっとこう、科学の力で、お金なんか無くとも色々できるのかと思ってました」  何故僕は話を合わせているのだろうと、ふと思ったが、なんだか...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑫

前ページ    僕が少し考えていると、ナスガキは続けた。   「まぁそれだけ宇宙人が集まると、やっぱり社会形成といいますか、地球に住むうえではどうしてもお金が必要なんですよね」  なんだか話が戻ってき...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑪

前ページ    とりあえず僕は聞く。 「えっと……ちょっと混乱してはいるんですが、あなたは宇宙人で、以前から地球に住んでいた、ということでよろしいですか?」 「そうです。ちなみに産まれも地球です。地球で繁殖...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑩

前ページ    ショボくれる丸顔を見ていると、何だか少しナスガキが可哀想に思えてきたので、僕は当初より気になっていた話を振ってみる。 「いや、というか、それはそもそも本物の宇宙人なんですか?」  僕がそう聞...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑨

前ページ    僕は言う。 「ナスガキさん、あのですね。僕は別に話し相手が欲しいわけではないんですよ。ほんのちょっとだけでいい、ちょっとでいいので、世の中に対して何かチョッカイを掛けて、憂さ晴らししたいくらいなん...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑧

前ページ    もはや面倒臭くもなってきたのだが、上手く追い払う口実もないので、僕は少し話を促す。   「……ちなみに、宇宙人1人だと何ができるんです?」 「宇宙人単体で、ですか…… そうですね、キャ...
一週間後、滲み寄る

一週間後、滲み寄る⑦

前ページ   「いや、あのですね。1億人をレンタルしたら、5兆円ですよ、いや合ってます? 計算。いやそんなことより、そんなお金があったら別に地球征服なんかせずとも幸せなうちに暮らせますよ」    話にならな...
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