味覚の砂漠が狂おしい⑦

味覚の砂漠が狂おしい



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 3回。

 

 3回だ。

 

 3回も僕は裏切られた。

 

 カレーにもラーメンにも鉄人にも裏切られた。

 

 何なんだ。

 4時頃に飯を食べたいと思うことが、そんなに罪なのか?

 

 昼飯の時間も惜しんでセコセコ働いた結果がこれか?

 

 僕が一体何をしたと言うんだ?

 

 もう何でもいい。

 何でもいいから何か食べたい。

 素敵な夕食とか、頭がおかしい。

 こんな仕打ちを受けた日に、素敵もクソもあるものか。

 何でもいい。何でもいいから腹を満たしたい。

 

 潰れた定食屋の隣を見る。

 文房具屋が開いている。

 

 ……もう文房具でもいいかもしれない。

 

 子供の頃、なんか匂いの付いた消しゴムが美味しそうに思えていたような記憶がちょっとある。

 

 ――アレでいいんじゃないか。

 

 僕は文房具屋でフルーツの匂いが付いた消しゴムを3つ購入し、自宅へ帰った。



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