一週間後、滲み寄る⑩

一週間後、滲み寄る



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 ショボくれる丸顔を見ていると、何だか少しナスガキが可哀想に思えてきたので、僕は当初より気になっていた話を振ってみる。

「いや、というか、それはそもそも本物の宇宙人なんですか?」

 僕がそう聞くと、少し沈黙が流れる。

 

 流れる。

 

 暫く経っても流れる。

 

 ほぼ無音。

 

 ビルの下の国道の音だけが軽く響く。

 

「いややっぱり偽物なんじゃねぇか!」

 たまらず、僕は口を開いた。

 

「いや違うんですよ。本物というか、偽物というか…… 要は複製なんです」

「複製? 宇宙人の?」

「はい。我々の複製です」

 

 ……我々。

 ……もう何を言っているのだか。

 

「あれ? 言いませんでしたか。私、宇宙人です」

 ……だから、何を言っているんだコイツは。

 

「いや、あなたさっき、宇宙から来た者ではないって……」

「そうです。私は既に地球に住んでますので、宇宙から来たわけではないというだけで、種族的なところで言うのなら、あなた方の言う宇宙人にあたります」

 

 ……混乱してきた。

 なんだかもう、僕にはよくわからない。



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