ショボくれる丸顔を見ていると、何だか少しナスガキが可哀想に思えてきたので、僕は当初より気になっていた話を振ってみる。
「いや、というか、それはそもそも本物の宇宙人なんですか?」
僕がそう聞くと、少し沈黙が流れる。
流れる。
暫く経っても流れる。
ほぼ無音。
ビルの下の国道の音だけが軽く響く。
「いややっぱり偽物なんじゃねぇか!」
たまらず、僕は口を開いた。
「いや違うんですよ。本物というか、偽物というか…… 要は複製なんです」
「複製? 宇宙人の?」
「はい。我々の複製です」
……我々。
……もう何を言っているのだか。
「あれ? 言いませんでしたか。私、宇宙人です」
……だから、何を言っているんだコイツは。
「いや、あなたさっき、宇宙から来た者ではないって……」
「そうです。私は既に地球に住んでますので、宇宙から来たわけではないというだけで、種族的なところで言うのなら、あなた方の言う宇宙人にあたります」
……混乱してきた。
なんだかもう、僕にはよくわからない。
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