一週間後、滲み寄る⑪

一週間後、滲み寄る



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 とりあえず僕は聞く。

「えっと……ちょっと混乱してはいるんですが、あなたは宇宙人で、以前から地球に住んでいた、ということでよろしいですか?」

「そうです。ちなみに産まれも地球です。地球で繁殖した世代ですね」

「はぁ……そうですか」

 僕は少し考える。考えざるを得ない。

 

 ……繁殖。

 既にそれなりの数がいる、という設定なのか。

 

「ちなみに、まぁあなたが本当に宇宙人なのかはこの際置いておいて、地球にはどのくらいの宇宙人が既にいるのでしょう?」

 ナスガキは少し間を空けて答える。

「8千万人くらいでしょうか、聞いている限りは」

「8……ッ!?」

 僕は驚く。

 僕が想定していた答え以上の数で答えてきたので、声が出てしまった。

 さすがに荒唐無稽過ぎる。騙すのなら、もう少し現実感のある数字を言ってほしい。

 

「いや、もう、それ、1つの国が出来るレベルですよね…… いや、さすがに無理がある設定というか……」

「まぁ知ってる人は知ってますよ。政府の偉い方ですとか。というか、そういう噂は流れているじゃないですか。皆さん、信じていないだけで」

 確かにそういう系統の話はよく聞く。

 しかし話と数値にボリュームがありすぎて、そんな噂もナスガキの話も、僕は信じる気にはなれなかった。



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