とりあえず僕は聞く。
「えっと……ちょっと混乱してはいるんですが、あなたは宇宙人で、以前から地球に住んでいた、ということでよろしいですか?」
「そうです。ちなみに産まれも地球です。地球で繁殖した世代ですね」
「はぁ……そうですか」
僕は少し考える。考えざるを得ない。
……繁殖。
既にそれなりの数がいる、という設定なのか。
「ちなみに、まぁあなたが本当に宇宙人なのかはこの際置いておいて、地球にはどのくらいの宇宙人が既にいるのでしょう?」
ナスガキは少し間を空けて答える。
「8千万人くらいでしょうか、聞いている限りは」
「8……ッ!?」
僕は驚く。
僕が想定していた答え以上の数で答えてきたので、声が出てしまった。
さすがに荒唐無稽過ぎる。騙すのなら、もう少し現実感のある数字を言ってほしい。
「いや、もう、それ、1つの国が出来るレベルですよね…… いや、さすがに無理がある設定というか……」
「まぁ知ってる人は知ってますよ。政府の偉い方ですとか。というか、そういう噂は流れているじゃないですか。皆さん、信じていないだけで」
確かにそういう系統の話はよく聞く。
しかし話と数値にボリュームがありすぎて、そんな噂もナスガキの話も、僕は信じる気にはなれなかった。
コメント