しかし翌日、依頼主から再度連絡が入る。
昨晩、またうるさかったらしい。
僕は少しげんなりする。
どうするべきだろうか。
少し考える。
考えた結果、この際、本当に医者を連れていくしかないと思い、総合病院から町医者、往診対応の病院に数ヶ所問い合わせてみることにした。
が、全て断られた。
というより、往診先を聞かれて答えたら、すぐに電話を切られた。
当たり前だ。誰が墓場へ治療に向かうものか。
なので困ってしまう。
この際、ナスタニさんの腹痛も成功報酬も、わりとどうでもいいのだが、是が非でも依頼主の悩みは解決してあげたい。
決して彼女がかわいいからとか、そんな不純なことでは一切なく、彼女が礼儀正しく、あとかわいいから、是が非でも何とかしてあげたい。
僕は暫く考える。
考え、思い当たる。
――そういえば、祖母が言っていた気がする。
僕は思い出した祖母の言葉とともに、冷蔵庫に入っていた大根を意気揚々と取り出した。
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