やがて公園の砂塵は立ち消え、かつてロボットだったものの残骸が姿を現す。
ロボットは負けた。少年達の夢は、ミサイルという非人道的な科学の前にひれ伏した。
タダシはもう、何もかもが嫌になった。
ロボットの残骸の上で1人の老人が右手を上げ、勝ち名乗りをしている。
彼がミサイルを放った老師だろう。タダシはその憎き仇を眼に焼き付けるべく、老師を凝視した。
だが、その袴の色には見覚えがある。
薄水色の袴。
老師B。
初戦で敗退した老師Bが、そこに立っていた。
タダシの信じた中国拳法の可能性が、最終的な勝者として結実したのだ。
タダシは心の中で叫ぶ。
やっぱり最強は中国拳法なんだ!
心の中で叫び終えたタダシは、取り敢えず警察に通報することにした。
〈了〉
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