七人の老師⑩

七人の老師



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 カッコいい。

 

 現れた人型巨大ロボットにタダシは眼を輝かせた。全ての少年がかつて憧れた巨大ロボット。それが今、タダシの目の前に降り立ったのだ。

 アパートの3階から見つめるタダシと、人型巨大兵器との目線が重なる。ゆうに10メートルはあろうかという巨大な機体。雄々しき勇姿。鋼の剛直よ!

 もはやロケットランチャーなどどうでもいい。

 全ての少年が憧れた巨大ロボットがそこにいる。巨大ロボットにときめかない男など、この世にいない。

 たぶんロボットの中には同じような老師がいるのだろう。タダシは心の中で全力で叫びを上げた。

 

 行っけぇぇ! 人型巨大機動兵器老師!

 

 ロボットはロケラン老師を踏み潰した。

 ……勝った。

 やはりカッコいいものが全てだ。

 タダシは満足感に溢れていた。

 ありがとうロボット。ありがとう科学。

 タダシが悦に入っていると、空気を切り裂くような音が聞こえた。

 音は徐々に大きくなってくる。

 空から、何かが降ってくる。

 爆音。

 爆風が突き抜ける。

 凄まじい爆発が人型巨大機動兵器を襲い、公園が砂塵に包まれる。

 タダシは直感する。

 新たな老師が爆撃したのだ。

 

 ミサイル。

 

 ミサイルが人型老師を襲ったのだ。



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