カッコいい。
現れた人型巨大ロボットにタダシは眼を輝かせた。全ての少年がかつて憧れた巨大ロボット。それが今、タダシの目の前に降り立ったのだ。
アパートの3階から見つめるタダシと、人型巨大兵器との目線が重なる。ゆうに10メートルはあろうかという巨大な機体。雄々しき勇姿。鋼の剛直よ!
もはやロケットランチャーなどどうでもいい。
全ての少年が憧れた巨大ロボットがそこにいる。巨大ロボットにときめかない男など、この世にいない。
たぶんロボットの中には同じような老師がいるのだろう。タダシは心の中で全力で叫びを上げた。
行っけぇぇ! 人型巨大機動兵器老師!
ロボットはロケラン老師を踏み潰した。
……勝った。
やはりカッコいいものが全てだ。
タダシは満足感に溢れていた。
ありがとうロボット。ありがとう科学。
タダシが悦に入っていると、空気を切り裂くような音が聞こえた。
音は徐々に大きくなってくる。
空から、何かが降ってくる。
爆音。
爆風が突き抜ける。
凄まじい爆発が人型巨大機動兵器を襲い、公園が砂塵に包まれる。
タダシは直感する。
新たな老師が爆撃したのだ。
ミサイル。
ミサイルが人型老師を襲ったのだ。
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