七人の老師⑧

七人の老師



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 初めて見る実物のロケットランチャーに、タダシは興奮していた。今までゲームの世界でしか見たことのないそれがそこにある。それだけでタダシは嬉しくなった。どうせこの2人も戦うのだろうから、ロケットランチャー老師を応援しよう。タダシは老師Aの仇と羨望の念を込め、ロケットランチャーを応援することにした。

 例の如く2人の老師が対峙する。2人共が銃口を互いに向け、身動きしない。

 

 静寂が流れる。

 

 轟音。

 爆風で公園の木々が揺れる。

 

 ピストル老師は吹き飛んだ。

 

 得も言われぬ爽快感にタダシは包まれる。

 火力こそ全て。全ての少年達の夢がここに顕然していた。

 そしてタダシは少し考えた。

 

 ……流石にこれはマズいのではないか?

 

 そう思い至ったと同時にピストル老師はゆらゆらと立ち上がり、何事も無かったかのようにロケラン老師と握手を交わした。ピストル老師もまた、達人だった。ロケットランチャーでさえも達人には傷を負わすことはできない。タダシは人体の可能性に感謝し、天を仰いだ。

 次は何が来るのだろう。タダシが胸を弾ませながら再び公園へと視線を送ると、ピストル老師は既に去り、広場の奥から渇いたベルト音が聞こえてきた。

 テレビなどでは聞いたことがある音。だが実際に聞いたのは、これが初めてだった。

 キャタピラの駆動音。

 上部ハッチから、老人が顔を出している。  戦車老師が現れた。



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