老師Aが勝った。
タダシは嬉しかった。老師Bの無念を背負い、武器という残忍な企みを正義が打ち破ったのだ。喜ばずにはいられない。
やがて卑怯老師がよたよたと立ち上がり、老師Aと握手をする。
卑怯者のくせに潔ぎが良い。タダシは心の中で拍手を送り、死力を尽くした2人の結末に天を仰ぎ、感謝した。
再びタダシは公園を見下ろす。卑怯老師はタダシの視界から去っていった。
そして入れ替わるように新たな老人が現れた。
もしかして、まだ続くのだろうか。タダシは老師Aの果てない死闘の行く末を案じた。だがタダシには案ずることしかできない。ならばせめて、老師Aの躍進を祈ろうと、タダシは心から思った。
新たな老人も同じ外見をしている。違いは袴の色。黒い袴の老師が現れた。
黒い袴の老師は手に何か持っている。
ピストルだ。タダシは震え上がった。
ピストル老師が老師Aの前に現れた。
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