地図の果てから憂いを込めて⑥

地図の果てから憂いを込めて



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「じゃあミサイルランチャーとかどうですか? ミサイルランチャーなら簡単なレクチャーを受ければ、撃つだけで強いですし、純粋な殺意の塊ですよ。さすがの大魔王もミサイル当たれば死ぬでしょ」

「そうだね……たぶん大魔王もミサイルなら粉々になるね。よし、ミサイルランチャーにしよう。ごめんだけど、ちょっとミサイルランチャー持ってきてよ」

「かしこまりました」

 そう言うと、秘書はミサイルランチャーを取りに、玉座の間を出ていった。

 

 数分後、秘書がミサイルランチャーを持ってきた。

「これは……イケる気がする」

 魔王はミサイルランチャーを肩に担ぎ、呟いた。

「4発装填の最新型です」

「ありがとう。これなら間違いなく大魔王もビビるよ。よし……やってやる!」

 大いなる武器を手にした魔王は、それだけでとてつもなく強くなった気がしてくる。

「大魔王の野郎、いつもいつも理不尽な小言ばかり一方的に言いやがって……人の事情も知らずにさ……見てろよ、目にもの見せてやる」

 だんだんと気が大きくなってきたので、つい日頃の鬱憤を愚痴ってしまう。部下の前で愚痴を言うのは見苦しいかもしれない、と少し反省した。

 しかし秘書は楽しそうな顔をしている。やはり悪口が好きなんだろうな、と魔王は思う。

「大魔王を倒すという意味では、もはや魔王様こそが真の勇者なのかもしれませんね。これからは魔王様とお呼びすべきか、それとも勇者様とお呼びすべきか、どうしましょう?」

「勇者で頼む」

 魔王は即答した。

「かしこまりました、勇者様」

「うむ!」

 魔王は勇者になった。



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