魔王が少し考えていると、秘書が急かしてくる。
「でも、もうそこまで勇者は来てますよ。早く決めてください」
魔王は急かされて、少し苛立つ。
「と言われても……大事なことなんだから少し迷わせてよ。ごめんだけど、ちょっと待つよう勇者に伝えてきて」
「かしこまりました」
そう言うと、秘書は勇者に待つことを伝えに、玉座の間を出ていった。
少しすると、秘書が戻ってくる。
「待たない、覚悟しろ、と言われました」
「なんだよそれ、せっかちだな。ホント、少しでいいから待つように言って! なんなら、待ってくれたら世界の半分をあげる、と伝えて!」
魔王はまた苛立った。
「かしこまりました」
秘書は再び勇者に話をしに出ていった。
少しすると、秘書が戻ってくる。
「ふざけるな、そんな甘言に乗るか、と言われました」
「えぇ……なんでだよ……破格じゃない、ちょっと待てば世界の半分だよ……それ以上どうしろって言うんだよ、ワガママだな……クソ、足元見やがって……なんか腹が立ってきたな」
魔王は更に苛立ってきた。
「……やっちゃいます?」
秘書が煽る。
「やる。我がミサイルランチャーの錆びにしてくれるわ」
魔王は勇者を討伐しに玉座の間を後にした。
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