地図の果てから憂いを込めて⑦

地図の果てから憂いを込めて



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 ミサイルランチャーを担いだ勇姿を鏡に写し、魔王がうっとりとしていると、何だか玉座の間の外が騒がしい。魔物達が騒いでいるようだ。

「何かあったのかな……ごめんだけど、ちょっと見てきてよ」

「かしこまりました、勇者様」

 魔王は秘書に様子を見てくるよう、外へと遣わせた。

 

 

 暫くして、秘書が戻ってくる。

「どうやら勇者が来たみたいですよ」

「いや、僕が勇者なんだけど」

 勇者になった魔王は、秘書の言っている意味がよく理解できない。

「いや、そうではなく。人間の勇者です」

 どうやら本物の勇者が来たらしい。

「えぇ……今更来たの? せっかく僕にも勇者としての自覚が芽生えてきたのに。あの3メートルの奴はどうしたのさ?」

「なんかアイツ、インフルエンザで最近休んでるらしいですよ」

「……お大事に、と伝えておいて」

 病欠ならば仕方がない。

「どうします? 3択ですね。素敵な散り様を見せつけるか、仲間にして一緒に大魔王を倒すか、それとも返り討ちにして魔王様が真の勇者になるか」

「えぇ……どうしようかな……どれがいいと思う?」

 魔王は秘書に聞いた。

「それは魔王様が決めてください」

「どうしよう……ちょっと考えさせてよ」

 魔王は焦った。



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