2022-11

空想未来少年リターンズ

空想未来少年リターンズ②

前ページ   少しだけ考える。    息子は『何だっけ?』と言った。  過去形だった。  『ヘロドトスって何?』ではない。    つまりは、過去に息子はヘロドトスを経験している、とい...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて⑧

前ページ    魔王が少し考えていると、秘書が急かしてくる。 「でも、もうそこまで勇者は来てますよ。早く決めてください」  魔王は急かされて、少し苛立つ。 「と言われても……大事なことなんだから少し迷...
空想未来少年リターンズ

空想未来少年リターンズ①

他作品へ   「ヘロドトスって何だっけ?」    ……何だっけ?    夕方過ぎの家族の|団欒《だんらん》。エビフライを旨そうに頬張りながら、10歳になる息子がそんなことを聞くものだから、僕は少...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて⑦

前ページ    ミサイルランチャーを担いだ勇姿を鏡に写し、魔王がうっとりとしていると、何だか玉座の間の外が騒がしい。魔物達が騒いでいるようだ。 「何かあったのかな……ごめんだけど、ちょっと見てきてよ」 「か...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて⑥

前ページ   「じゃあミサイルランチャーとかどうですか? ミサイルランチャーなら簡単なレクチャーを受ければ、撃つだけで強いですし、純粋な殺意の塊ですよ。さすがの大魔王もミサイル当たれば死ぬでしょ」 「そうだね……...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて⑤

前ページ   「じゃあ、やっぱり大魔王をぶっ飛ばしてくださいよ、そうすれば自然と私の格付けも上がります」  秘書は本気になってきたようだ。そんなに自分の立ち位置が気になるものだろうか。意外と自尊心が高い秘書の一面...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて⑨(終)

前ページ    十数分後、魔王が玉座の間に戻ると、待っていた秘書が声を掛けてくる。 「どうでした?」 「ミサイルランチャーを見せつけたら、ビビって帰っていった。やっぱり凄いね、ミサイルランチャー」 「...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて④

前ページ   「じゃあ暫くは勇者が来ないってこと?」  魔王は溜め息混じりに秘書に確認する。 「まぁ、そうですね」 「じゃあ僕の活躍の場は、どこにあるんだろう?」  魔王は相談した。秘書は少し考...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて③

前ページ   「カッコいい散り様ってどんなのですか?」  欠伸を噛み殺した以上、おそらく興味が無いであろうことは魔王にも容易に想像できたが、せっかく聞いてくれたので魔王は答える。 「そうだな……仁王...
地図の果てから憂いを込めて

地図の果てから憂いを込めて②

前ページ   「何で勇者は来ないんだろう……」  魔王は呟くように秘書に投げ掛けた。 「逆に何で来てほしいんですか? 来ないほうが楽でいいじゃないですか」 「いや、だって暇じゃない?」  秘書の...
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