少し連呼してみる。
オレンジ・ペコー。
オレンジ・ペコー。
セカンド・フラッシュ。
オレンジ・ペコー。
こいつは良い。
貴族的な響きを感じる。もしくは歴戦の競走馬の名に連なっていてもおかしくはない雰囲気だ。これはもう名前だけで有馬記念に呼ばれてもおかしくはない。
たぶん血筋はそこまで良くなくて産まれた当初は全く期待されていなかったけど、走らせてみたら驚異の末脚を発揮してたまたま通り掛かった老調教師に見出だされるタイプの奴だ。
――ワクワクしてきた。
僕は部屋にオレンジ・ペコー(セカンド・フラッシュ)を運び入れ、ニンマリしながら啜る。
旨い。
やはり紅茶はオレンジ・ペコー(セカンド・フラッシュ)に限る。オレンジ・ペコー以外で取れた紅茶などただの模造品に過ぎない。流石は紅茶の本場、オレンジ・ペコー。
でも正直なところ、オレンジ・ペコー(セカンド・フラッシュ)が一体何なのかよくわからなかったので、またもやスマートフォンで調べてみた。
――茶葉の部位と収穫した時期らしい。
……僕はてっきり、紅茶の名前は全て産地の名前だとばかり思っていた。
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