空想未来少年リターンズ⑥

空想未来少年リターンズ



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「アポロエピクリオスって何処だっけ?」

 ……だから何なんだそれは!?

 何処も何も、僕はそれが何なのかもわからない。

 こいつは本当に僕の知らない次元へと旅立ってしまっている。息子と僕の立つステージが違いすぎて、もう僕は彼を息子と認識してもいいのか、意味がわからない。意味もわからないし、むしろ段々と心配になってきた。昨日までゲームや漫画に夢中になっていた凡人が、何故、突然聞きなれない単語を連呼するか。明らかに何かがおかしい。誰かに何かを吹き込まれたのか? 誰だ、不要な知識を息子に与えた奴は。もしかして誰かに洗脳されているのか? もう、そうとしか思えない。息子は誰かに洗脳されているんだ。

 だとすれば、僕が父親として息子に投げ掛けるべき言葉は決まった。

「何か悩みがあるなら話してくれ。お父さんは絶対にお前を助けてやるから」

 ばっちり決まった。

 例え息子がもう手遅れだとしても、父の威厳だけは示せたはずだ。それだけで、何とか今後の光明には繋がる。

「……実はさ、父さん」

 僕の言葉を受けて心を開いたのか、洗脳された息子が語りかけてくる。

「実は俺……意識だけ20年後からタイムスリップしてきた、未来の俺なんだ」

 ……何言ってんだ、コイツ。



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